SSR平成20年度成果報告会 開催のお知らせ 

産学戦略的研究フォーラム(SSR)は,ソフトウェアの分野における注目すべき
テーマについて産学協同で調査研究を行っております.
下記のとおり成果報告会を開催いたしますので,是非ともご出席 ください.

■日時: 平成21511() 9001215

■場所: 東京国際フォーラム ガラス棟5階 G502
(
千代田区丸の内3-5-1

■交通/地図: http://www.t-i-forum.co.jp/function/map/

■プログラム:

900〜  玉井 哲雄 委員長(東京大学)挨拶

905〜  辻 洋(大阪府立大学)

      「オフショア・ソフトウェア開発におけるリスク対策の調査研究」

950〜  鷲崎 弘宜(早稲田大学)

      「Web2.0におけるリッチクライアント開発のためのアスペクト指向技術の
      調査研究」

1035〜 ブレイク

1045〜 中谷 多哉子(筑波大学)

      「PRINCEモデルに基づく要求変更観測技術の提案」

1130〜 村山 優子(岩手県立大学)

      「不快なインタフェースプロジェクトの成果報告」

■参加料  賛助会員企業 および 学術関係研究者 : 無料
        非会員 : 500
  (東芝・日本電気・日立製作所・富士通・三菱電機・NTTデータ・とめ研究所)

■参加申込方法

参加ご希望の方は、57()までに氏名、所属を明記し、SSR事務局
( msato
iisf.or.jp ) 宛にE-mailでお申し込みください。

 

■講演概要(講演順・敬称略)

◇辻 洋

オフショア開発について近年ようやく研究が始まり,SEAFOODと呼ぶ国際会議も

設立された.報告者らは17年度に発注側企業,18年度に受注側企業のリスク

分析に関する調査を行った.受注側能力を査定する成熟度指標もリスク分析の

一つであるとみなされ,今年度は「委託」におけるリスク対策という視点から成熟度

を主テーマとした.コスト削減を動機として,実験的・挑戦的な試みとして開始された

段階,大小の失敗から学び,リスクを認識し,定常的なプロセスで管理する段階,

成功体験を通して信頼関係とパートナーシップの重要性を認識し,開発全体を

統合的なプロセスとして管理運営する段階などが確認された.本発表では,3年間

の調査研究を振り返りながら,20年度に行った海外調査,国内インタビュー調査

を含め,本テーマの過去・現在を振り返り,今後のリスク対策について提言する.

 

◇鷲崎 弘宜
Web2.0の代表例であるリッチクライアント開発の主要な要素技術であるクライアン

トサイドスクリプトの扱いについて,実務上のニーズと課題を企業開発者・技術者

を対象として調査し,複数の品質特性について問題を識別した。調査結果を踏ま

えて,横断的関心事の分離合成を達成する独自のアスペクト指向プログラミング

フレームワークAOJSJavaScript言語用に実現し,識別した問題のうちで

再利用性,保守性および開発容易性について解決に有効であることを確認した.

例えば,Ajaxパターンのモジュール化と再利用に有効であることを確認した.

さらに,識別した問題のうちで解決可能性を未確認なもの(特にセキュリティや

移植性)について今後の解決技術基盤を得るために, Web2.0開発へ利用可能

なアスペクト指向プログラミング技術,および,アスペクト指向技術全般の最新

動向を連携して調査しまとめた.本講演ではこれらの研究成果および調査結果

を報告する.

 

◇中谷 多哉子
ソフトウェア開発プロジェクトを失敗させる要求変更に対処するために,これまで

様々な技術が開発されてきた.我々は,要求変更に対処するための鍵は,必要な

時に必要な要求を獲得する要求獲得計画と要求管理にあると考える.

本講演では,本研究で開発したPRINCEモデルを紹介し,このモデルを適用する

ための要求計測ガイドラインを紹介する.PRINCEモデルは,昨年度行った事例

調査結果を再度見直し,要求獲得を計画するために開発されたモデルである.

このモデルでは,プロジェクト全体を通して,要求獲得プロセスを計画することが

想定されている.要求計測ガイドラインは,PRINCEモデルを実際のプロジェクトに

適用するために使われる.PRINCEモデルとガイドラインによって,誤った要求を

不適切な時期に獲得することを避けることができるようになり,要求変更による

プロジェクトの失敗を防止することが期待される.

 

村山 優子

本プロジェクトは,情報セキュリティの観点から危険な状態であるのに利用者が

安心している問題に着目し,その対策として,不快なインタフェース構築に向けて,

情報セキュリティサービスにおける警報ための不快感や違和感およびアウェアネス

機能の調査研究を行うことを目的に始めた.

研究調査の過程で,不正者による脅威とともに,ヒューマンエラー等の過失による

脅威も考慮にいれることにし,この分野の調査を行った.さらにリスク心理学の

調査より,警報だけでなく,リスク認知等の観点からの人間に特化した対策の

検討も今後必要なことが判明した.

 

 

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