SSR平成22年度成果報告会
開催のお知らせ
産学戦略的研究フォーラム(SSR)は,ソフトウェアの分野における注目すべきテーマについて産学協同で調査研究を行っております.
下記のとおり成果報告会を開催いたしますので,是非ともご出席 ください.
■日時: 平成23年5月20日(金) 13:00〜16:00
■場所: 国立情報学研究所 12階 1208・1210室
(千代田区一ツ橋2-1-2)
■交通/地図: http://www.nii.ac.jp/access/
■プログラム:
13:00〜 委員長挨拶
13:10〜 中島 震(国立情報学研究所)
「CPS時代のソフトウェア工学に関する調査研究」
14:00〜 峯 恒憲(九州大学)
「学生の学習状況分析とその定量的評価についての調査研究」
14:50〜 ブレイク
15:05〜 岡本 栄司(筑波大学)
「ネットワークシステム設計の実態に関する調査研究報告」
■参加料 無料
■参加申込方法
参加ご希望の方は、5月17日(火)までに氏名、所属を明記し、SSR事務局
( msato @ iisf.or.jp ) 宛にE-mailでお申し込みください。
■講演概要(講演順・敬称略)
◇中島 震
CPS (Cyber-Physical Systems) というキーワードは2006年頃にNSFから出された造語である.フィードバック制御の理論であるサイバネティックスに源流があるといわれている.特定の技術を指すものではなく,情報学の新しいパラダイムとして多様なアプリケーションセクタの基盤技術となることが期待されている.従来のソフトウェア工学が生産性向上ならびに開発コスト低減を目的としていたのに対して,高い信頼性の達成に技術の重心が移っている.本調査研究は,関連文献や国際会議での調査,研究機関訪問,実験などを行った.CPSという言葉が出てきた経緯を整理し,源流となった高信頼組込みシステムへの系統的アプローチという観点からCPSの技術要素と今後の研究の方向性をまとめる.
◇峯 恒憲
本調査研究では,学生の学習状況について定量的な評価方法について調査研究を行った.特に,学部の実験・演習ならびに大学院のPBLで記録された議事録や作業記録に着目し,学生の学習状況や学習効果を示すデータの特定と,そのデータの評価・解釈方法について調査を行った.調査研究の成果は以下の3つである.
(1)学部1年次の演習での毎時の授業コメントの内容を,授業前行動,現時の授業理解度,次回の授業目標の3つに区分し,各区分から行動や理解度に関する内容を抽出し,個人の学習態度や学習状況を把握する方法を提案した.
(2)学部3年次のPBL入門演習での作業日報を分析し,成績と相関する項目の特定を行った.
(3)修士課程PBLでの会議議事録を解析し,コミュニケーションやチームワークなどのソフトスキルに関しての改善効果を示すデータについての調査を行うとともに,そのデータについての意味づけに関して調査した.
◇岡本 栄司
調査研究の目的である「ネットワークシステム設計の実態に関する調査研究」に基づき,「協賛企業の協力によるネットワークシステム設計指針の実態調査」と「既存ネットワーク最適設計問題の調査と拡張の検討」の2つのアプローチより現状のネットワークシステム設計を調査した.その結果,統一的なセキュリティシステム設計のガイドラインが設定されていない現状が浮き彫りとなった.また,最適設計自動化に向けては,ネットワーク設計問題における最小費用問題やフロー最適化等,既存問題の調査と多層ネットワークモデル適用の検討,各問題における計算困難性の詳細調査とモデル拡張の検討を行った.