SSR平成23年度成果報告会 開催のお知らせ 

産学戦略的研究フォーラム(SSR)は,ソフトウェアの分野における注目すべきテーマについて産学協同で調査研究を行っております.
下記のとおり成果報告会を開催いたしますので,是非ともご出席 ください.

■日時: 平成2457() 13001600

■場所: 国立情報学研究所 12 12081210

      (千代田区一ツ橋2-1-2

■交通/地図: http://www.nii.ac.jp/access/

■プログラム:

1300   委員長挨拶

1310   中島 震(国立情報学研究所)

              CPS時代のソフトウェア工学に関する調査研究」

1400   大須賀 昭彦(電気通信大学)

              エージェント技術によるインターウェア実現に向けた調査研究

1450   ブレイク

1505   小口 正人お茶の水女子大学

              緊急災害時に備えた家族間の個人情報の共有手法の実現

■参加料  無料

■参加申込方法

参加ご希望の方は、427()までに氏名、所属を明記し、SSR事務局
( msato
iisf.or.jp ) 宛にE-mailでお申し込みください。

 

■講演概要(講演順・敬称略)

◇中島 震

2011年はCPS(Cyber-Physical Systems)という言葉が新たな広がりをみた年であった.コンピュータと実世界を連携させることで新しいサービスを生み出す考え方の規範として,2006 年頃,NSF で考案された造語である.その後,CPSが目指す技術の社会的な重要性を認識する国が増え,各々の国情に合わせた形で,問題意識の整理や課題設定がなされている.その中,ドイツでagendaCPS と呼ぶ調査研究が実施された.北米のCPSと異なり,技術アプローチを指し示す言葉として使われている.同様な技術分野に関わる研究開発支援の枠組みITEA2 ARTEMIS が欧州域内の枠組みであるのに対して,agendaCPSはドイツ国内産業力強化を目指す.本年度は,以上のような動きから,CPSという技術領域を改めて見直す.ソフトウェア工学の観点からは,オープンな異種システム統合に関わる信頼性確保が新たな挑戦課題としてクローズアップされたといえる.CPSの技術的な柱のひとつであるハイブリッドシステム関連技術の研究動向を整理する.

 

◇大須賀 昭彦
インターウェアとは本申請者らによる造語であり,モノとモノとを有機的に連携させるために用いる技術全体をさす.クラウドコンピューティングの普及や高性能なセンサの小型化・低価格化,組込みシステム技術の発展にともない,異なる種類のモノ間,および,極めて大規模なスケールでのモノ間の自動連携技術の確立が重要な課題となってきている.本調査研究では,そこで必要となる技術の全体をインターウェアと定義して総合的な調査を行い,現状の問題点
の考察に基づく今後の課題を明らかにした.とくに,エージェント技術の適用可能性や次世代のMachine-to-Machine(M2M)についても独自の観点から調査を行った.こうした技術のベースとなるAI技術,ソフトウェア工学技術についても調査を行った.

 

◇小口 正人
東日本大震災のような大規模災害に遭遇した場合,自分自身の身の安全が確保できたら,まず最初に心配する事は家族の安否であろう.そのような時には,家族が被災するまでの間に,或いは被災した瞬間に,どこに居たのかという情報が極めて貴重なものとなる.近年は携帯電話やスマートフォンを始めとした携帯型情報機器の進化が目覚ましく,またネットワークとストレージ技術の発展と相俟って,個人の日常生活の情報,いわゆるライフログを取得し記録する事は容易となってきている.ただし家族とはいえ,普段からこのような個人情報を全て知られる事には抵抗があるであろう.さらに,大規模な災害時以外にも,例えば子供と連絡がつかないような場合には,スケジュールだけ閲覧可能にするなど,緊急の度合いに合わせて閲覧できる情報を制御したいといった要望が想定される.そこで本調査研究では,家族間で個人情報を共有するための階層型相互認証方法を提案しシステムを実装する.階層型であるため,どのレベルの情報まで許可するか,ユーザの要望に基づく制御が可能である.

 

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